高知県は石灰石のメッカです!
私たち田中石灰工業が製造しているタナクリームや土佐しっくい(漆喰)は、工業製品ではありますが、主原料は100%自然のものです。それらの原料は、自然の山々から採掘される「石灰石」です。
石灰石は、主に炭酸カルシウムから出来ている鉱石です。
日本には石灰石資源が豊富で、全国各地に分布しており、200以上の石灰石鉱山が稼動しています。西日本では、岡山県・山口県・大分県そして高知県に大量に賦存しており、工業資源として採掘され多くの産業で使用されています。
先日、ご縁があって、高知県内にある日本でも有数の石灰石鉱山に行くことができました。今回はそのレポートをさせていただきます。
天空の鉱山!高知県仁淀川村”鳥形山鉱山”!
今回おじゃまさせていただいたのは、日本の石灰石鉱山の中でも屈指の規模を誇る、高知県仁淀川町の日鉄鉱業(株)鳥形山鉱山です。
私どもが所属する日本漆喰協会の総会が高知で行われた際、日鉄鉱業(株)様のご厚意でこの鳥形山鉱山を視察する研修を行うことができました。
鉱山事務所から見上げる鳥形山。「天空の鉱山」と呼ばれています
鳥形山鉱山は、年間1400万トンの採掘が行われ、露天掘り日本一の産出量です。
広大な採掘場を巨大な重機が所狭しと走り回る様にも度肝を抜かれましたが、何と言っても驚かされたのが その整然とした採掘の姿です。
整理された鉱山道、残壁に等間隔で打たれた穿孔跡、安全確保のための取り組み、採掘管理技術も「ジャパンクオリティ」でした。
参加者全員で記念写真
ちなみに下の写真は、とある中国の石灰石鉱山です。管理状態の差は明らかです。
「さざれ石」を知っていますか?
選鉱場の脇にあるズリ置き場で「あるもの」を見つけました。実物を目にする機会はなかなかないと思います。国歌「君が代」に出てくる「さざれ石」です。
「君が代」にある「さざれ石」です
〜さざれ石(細石)は、もともと小さな石の意味であるが、長い年月をかけて小石の欠片の隙間を炭酸カルシウム(CaCO3)や水酸化鉄が埋めることによって、1つの大きな岩の塊に変化したものを指す。石灰岩が雨水で溶解し、その結果生じた粘着力の強い乳状液が少しずつ小石を凝結していき、石灰質の作用によってコンクリート状に固まってできる。〜
(ウィキペディアより)
さまざまな石・鉱石に、さざれ石などの「和名」があることからもわかるように、古来から日本人と鉱山・鉱物のつながりは深く長いものでした。
今回、見学させていただき目の当たりにした芸術的と言えるほどの非常に高い採掘技術も、長い鉱山・鉱物との歴史の上の築き上げられたものです。
今回の視察は、日本の技術の高さと歴史を、同時に体感できた貴重な経験でした。ありがとうございました。
[執筆:スタッフT]