JAの直売所にて「びわ葉茶」を発見
つい最近、週末にいつものJA南国市の直売所(南国インター近くの道の駅)で買い物中に、初めて見るお茶がありました。
パンフレットには、「びわ色の里 稲生」とあります。
「稲生=いなぶ」と読みます。
パッケージを拡大したのが下の写真です。
生産・販売者さんは、「高知県南国市・稲生びわ研究会 チーム稲生」となっています。
稲生地区と石灰について
さきほどから「稲生」という地区名がよく出てきますが、この高知県南国市稲生地区は、以前は県内有数の石灰石の産地であったため、現在も田中石灰工業をはじめ高知県有数の石灰メーカーの工場が集まっています。
石灰石の採掘当時には、稲生地域を遠目に見ても、道路など地域一帯が石灰の粉で白く見えたほどです。
そしてこのお茶は、どうやら私達社員が日頃から大変お世話になっている、稲生地区の住民の方が開発した商品のようです。
びわ茶が作られた背景・石灰質を好むびわ
パンフレットから一部引用させていただいて、ご説明します。
びわは石灰質を好む果樹で、稲生地区の山に多く自生しており、そのほとんどは家庭で食べられたりするのみで、果実として出荷されていないそうです。この恵みを地域のために活かせないかということで、75歳以上の方により組織を起ち上げ、びわのお茶作りが始まりました。
このお茶にするびわの木には、農薬や肥料を一切使用していないそうです。
稲生地域とともに歩む田中石灰工業
ここで、パッケージに記載されている文章をご紹介したいと思います。
「世界文化遺産の姫路城、二十一世紀の大修理・白壁の復元に稲生の石灰が採用されました。びわは石灰岩質を好む果樹です。良質な石灰質の土壌で育ったびわの葉のお茶です。」
「稲生は国内でも良質な石灰岩の産地です。戦後は、多くの住民が石灰鉱工業に従事していました。この石灰は、漆喰の材料ともなり、世界文化遺産 姫路城の最大の特徴でもある美しい白壁には、稲生地区の材料が使われています。」
稲生地区とともに成長してきた当社の石灰が姫路城の改修に使用されたことを、地元の方もとても誇りに思ってくださっていることが伝わってきます。嬉しいことですね。
【気になるお茶のお味は?】
お茶の葉一掴みを、やかんで煮出して完成させました。
冷ましたものを味見してみると、クセや渋みのない、スッキリとした味です。
お茶の色も澄んだ赤色でさわやかな感じです。
びわの葉の効能としては、ウィキペディアには以下のようにあります。
《 葉には収斂(しゅうれん)作用があるタンニンのほか、鎮咳(ちんがい)作用があるアミグダリンなどを多く含み、乾燥させてビワ茶とされる他、直接患部に貼るなど生薬として用いられる。》
稲生地区の歴史に思いを馳せながら、びわ茶のティータイムを楽しみたいと思います。
[執筆:スタッフF]